Sクラスのディーゼル、どんなクルマ? メルセデス・ベンツS400d実車解説
公開 : 2019.05.03 17:50 更新 : 2021.10.11 13:51
14.2km/ℓ 高燃費と絶妙なサイズ感
追加されたディーゼル・モデルはS400dの名が与えられ、モジュラー・コンセプトで開発された直列6気筒クリーン・ディーゼル・エンジンは、2924ccの排気量から340psの最高出力を発揮し、71.4kg-mの最大トルクはガソリン4ℓターボを積むS560と変わらぬ強大なもの。
それでいてS400dの燃費は2t超えの車体を備えながら14.2km/ℓ(JC08モード)という数値は1.6ℓガソリン・ターボ・ユニットを積むC180にわずか0.1km/h及ばぬだけの差。ここにガソリンと軽油の価格差を勘案すると立場は逆転してしまう。
例えば東京から名古屋までをC180とS400dで往復(約700km)したとして公称値で計算すると、ハイオクを使う前者は7342円、軽油を使う後者は5915円という結果となる。もはや大きいから不経済という理由は通用しなくなっているのだ。
メルセデス・ベンツで最も売れているのは扱い易いサイズ(と言ってもだいぶ大きくなってしまったが)のCクラスだが、一度大きいモデルのゆったりとした空間を知ってしまうと、もう後戻りできなくなってしまう。
それは後席だけではなくドライバーズ・シートでも然りで、長いホイールベースと絶対的な重さによるゆったりとした乗り味、そして広いキャビン・スペースから、文字通り大船に乗った感があり心地よいはずだ。
こうした絶対的なスペース部分のゆとりはCクラスやEクラスでは得られないものであり、これこそがSクラス最大の魅力なのである。またダッシュボードのベンチレーターやアナログ時計などSクラスだけに備わる端正なデザインは、所有することの満足度を感じさせてくれる部分だ。