フォルクスワーゲン 先進安全性能&運転支援技術 体感してみた
公開 : 2019.04.29 09:50
第二ステージは横滑り防止装置を体感
次のステージはESC(横滑り防止装置)。タイル貼りのウェット路面。路面μは硬く締まった圧雪路相当。タイヤは標準仕様。試乗車はVW車の最新となるポロである。
グリップ状態でラインを維持できる速度はおよそ30km/h。駆動力超過にならないように緩やかにアクセルを踏んでも速度が上がった分だけラインは膨らむ。増し切りすると内後輪にブレーキが掛かり、穏やかに元のラインに復帰する。
増し切りと同時のスロットルオフを併用すると、今度は後輪を軽く滑らせてイン側に入り込む。カウンターステアで抑えることもできるが、失速してしまうので後輪の滑りに合わせてアクセルを開ける。イン側に舵を入れながらの4輪ドリフト状態。そう難しくはない。
この特性はポロのコーナリング限界における操縦特性そのもの。ESCは何をやってるのかとESCオフでトライしてみた。
メチャクチャ神経質! というか「いい感じ」のコーナリング状況を維持するのが困難。散らかった時のラインと姿勢の乱れ振りも相当なもの。心も身体も保たない。
ちょっと、考えたのはESCの使い方。加減速や操舵への反応を抑えてコーナリングラインあるいはスリップアングルとヨーレート(自転角速度)の安定を図ったほうが旋回原理としては正しいと思うのだが、基本操縦性に準拠した特性にする必要はあるのか。この辺りは普段から慣れ親しんだVW車の運転感覚をESC作動時でも維持することで違和感を払拭したかったのだろう。ESCのお陰にも関わらず4輪ドリフトも簡単と思えたのは基本操縦特性をトレースした制御によるもの。普段の運転の延長で危険回避操作できるのは見識といえる。