フォルクスワーゲン 先進安全性能&運転支援技術 体感してみた 

公開 : 2019.04.29 09:50

第三ステージはACCとLKA

高速長距離走行での強い味方はACCとLKAである。この両方を装備すれば直進安定や余力の多少の難も気にならない。そういう意味では操安性と動力性能の一部と考えてもいい。試乗車はアルテオン。スペシャリティな雰囲気と実用性のバランスのよさが特徴であり、グランドツアラーとしての評価も高い。

採用するACCは停車までサポートする全車速型。完全停車してから3秒以内なら前車に追従して自動再発進を行う渋滞追従機能も備える。これらの機能は最新のACCでは標準的であり、カタログ等で機能を見比べても何のアドバンテージも見つからないだろう。

アドバンテージはドライブフィール。車速や車間距離の維持のための加減速制御がとても人間的なのだ。この試乗でも行われたが、強引に前に割り込まれても急減速は行わず、緩やかなエンブレくらいの減速で設定された車間距離に戻る。前車が離脱した時も同様である。あたかも的確な状況認識で余裕を持った運転をするドライバーのようだ。

LKAは車線中央維持等の走行ライン制御型ではなく、はみ出しそうな時に修正操舵支援を行う標準型。操舵支援と言っても実質的には自動操舵なのだが、手放しを続けると警報の後にシステムが解除されてしまう。これもLKAでは一般的である。

はみ出し防止が目的だが、実際に運転してみると走行ライン制御的な部分もある。車線中央くらいで、車体の軸線を車線方向からずらすと補正操舵を行う。自動補正操舵時の保舵感は緩やかな轍を越えた感じ。外部入力的な違和感を覚えるものの、進行方向のズレを意識させる警告としては悪くない。LKA任せでは若干の車線内蛇行となる状況もあるが、ドライバーの意識的な操保舵操作との二人三脚で安全安心なのだ。

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