取材を終えて

ドライバーと安全＆運転支援の「二人三脚」

一通りの試乗を終えての印象に残ったのは、VWの続けてきたクルマ造りやユーザーとの付き合いとの整合性を優先した先進安全＆運転支援技術の使い方だ。普段の運転感覚の延長上にあるESC制御や4モーション登坂制御時のアクセルワークによる介入感の違いが象徴的だが、丁寧に運転ではシステムの介入感が非常に少ない。基本性能が向上した感じである。

「自動運転を視野に入れた運転支援」とは最近よく使われる慣用句だが、VWは「自動運転」を視野に入れていないようだ。それは機能的に遅れているという意味ではない。ドライバーの操作や心情的側面を考慮するなら寧ろ困難とも言える。安全確保は最優先されるが、ドライバーを主とする運転支援が基本である。

ドライバーと安全＆運転支援システムの「二人三脚」がVWの求めた道と思えた。それはドライバーがドライバーとしての経験を蓄積させるという面からも今後さらに重要度を増すはず。現状のVW車がやり切れているとは思わないが、方向性は間違っていない。

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