初試乗 ジャガーFペースSVR V8スーパーチャージャー 遅れて現れたお手本
公開 : 2019.04.25 10:10
どんな感じ?
最高出力は550psながら軽くない1995kg
アルファ・ロメオ・ステルヴィオ・クアドリフォリオやポルシェ・マカン・ターボ、メルセデス-AMG GLC 63Cなどへ対する、ジャガーの回答がFペースSVRとなる。中クラスのSUVを見渡せば、多くのモデルに7万ポンド(1015万円)前後のハイパフォーマンス・グレードが存在しているが、2016年に発表されたFペースの標準グレードは4万〜5万ポンド(580万〜725万円)程度。JLRの広報担当社にさらに上の7万ポンド(1015万円)クラスの存在を確認しても、しばらくの間は慎重に否定していた。
ジャガーがカードとして持っている、スーパチャージャーで加給する5.0ℓのV型8気筒エンジンは、周囲を見渡しても珍しい存在で、Fペースに突出したパフォーマンスを与えるのに好適なユニットでもある。しかし、さほど方程式は単純ではないところがクルマの面白いところ。
確かに550psというパワーは、ジャガーのいうとおり群を抜いたスペックではある。一方で車重は1995kgにも及んでおり、ライバルモデルの中には200kgほど軽量なクルマも存在している。その結果、0-100km/h加速に要する時間は4.3秒で、充分に良好な数字ではあると思うが、メーカー公称値で比較すると、いくつかのライバルより劣っていることになる。
このような重量のかさむSUVで、加速競争をすることは無駄なことだと感じる読者もいるかも知れない。われわれとしては、ロードテストの機会でより意味のあるパフォーマンステストを実施する予定なので、そちらにはご期待いただきたい。また、果たしてパワーで劣るハイパフォーマンス・グレードのライバルの方が、本当にFペースSVRより0-100km/h加速で速いのか、気になる読者もいるのではないだろうか。