初試乗 ジャガーFペースSVR V8スーパーチャージャー 遅れて現れたお手本
公開 : 2019.04.25 10:10
利便性もよく居心地の良いインテリア
車内空間の広さや利便性もクラス標準で比較しても優秀だといえ、それ以外のインテリアはとても好印象なもの。JLR社製の最新のインフォテインメント・システムは採用されておらず、インテリア自体も同社の中で最新のデザインというわけでもないものの、充分にリッチで快適で、居心地が良い空間だ。
ひとつわたしが残念に感じたのは、レンジローバー・スポーツSVRに採用されていた、スポーツシートがFペースSVRでは選べないないこと。背もたれにヘッドレストが一体化されているもので、座り心地も快適なうえに、サイドサポートに包まれながら深く腰掛けると、頭の位置もちょうどいいポジションが取れる、わたしのお気に入り。
運転席へ腰を掛け、フロントウインドウから外を見渡すと、フランス南部ニースの山肌には、大きなウェディングケーキに緩くかけられたリボンのように、ひらひらと曲がった道が延びている。このFペースは、渓谷にうねる狭い道では、そのボディサイズを実感してしまうクルマではある。ライバルのポルシェ・マカンやアルファ・ロメオ・ステルヴィオなら、どう感じるのだろうか。
エンジンをスタートさせ、クルマをするりと発進させる。きついコーナリング時ではわずかなボディーロールを発生させるものの、横方向のグリップは強力で、クルマの向きを変えるためのインプットに、想像以上にスマートなレスポンスを示してくれる。かといって、さすがに体格のいい運動選手のように機敏に動くというわけではないけれど。