ポルシェ・パナメーラ 4.8 V8 GTS PDK
公開 : 2012.01.21 16:49 更新 : 2017.05.29 19:07
■どんなクルマ?
今年の末に予定されているフェイスリフトを前に、ポルシェの大きくラグジュアリーなリフトバックにGTSモデルが追加された。現在、7つのモデルラインナップを持つ英国のパナメーラの中でも、パナメーラGTSは特別なモデルということができよう。
■どんな感じ?
GTSのエンジンはパナメーラSに搭載されるノーマル・アスピレーションV8 4.8リッターのパワーアップバージョンだ。インレット・マニフォールドをはじめ内部の様々な改良によって、32バルブ・ユニットは30bhbのパワーアップを果たし、424bhpの最高出力を得るようになった。同時にトルクは2.0kg-mアップし、53.0kg-mとなった。このエンジンは、9月に発表されるカイエンGTSにも搭載される予定だ。
その小さな兄弟車と同様、パナメーラGTSは、3つのドライビング・モードを選ぶことができる。スタンダード、スポーツ、スポーツプラスがそれだ。スロットルとステアリングのマッピング、そしてサスペンション・セッティングとドライバー・アシスタンスをそれぞれのモードにあわせて変更する。違いは、スタンダード・モードがより改良されたことと、他のパナメーラにはないスポーツプラスという、よりスポーツ走行に適したモードが与えられたことだ。GTSに与えられたスポーツプラス・モードは、そのキャラクターをはっきりさせることだろう。
7速PDKギアボックス(標準装備)は、素晴らしく効果的で、街中ではオートマチック・トランスミッションとして問題なく使用できるし、ひとたび両側に建物のないような道となれば、マニュアル・ギアボックスでも成し遂げられないような決断力と速さをもたらしてくれる。そのうえに、燃料消費も抑えられている。そのエンジンとギアボックスの組み合わせは、まさに強烈な加速を生み出すのだ。それは148bhp、16.5kg-m少ない第6世代のM5と比べてみても判る。0-100km/h加速でみればM5に対して0.2秒遅い4.5秒をマークする。また、286km/hの最高速に達するその途中、10.9秒で160km/hに達するのである。
しかし、より控えめに運転をするのであれば、あなたは11.2km/lの燃費をマークすることもできるのだ。
そのハイライトとも言えるのが、そのバリアブル・レシオの採用されたステアリングで、重さも適度で、且つセンター付近で非常に正確である。軽すぎず、ドライバーへのフィードバックも的確であるから、裏道でも苦労することはない。それは、ポルシェのエンジニアが、サスペンションセッティングで目指した変更点である。
パナメーラGTSのライバルは、アウディA8、BMW7シリーズ、ジャガーXJといった若干カタチの違うモデル達だ。10mmほど車高を低くし、エラスト・キネマティック・プロパティと組み合わせることによって、GTSは本当に素晴らしい回頭性を与えられた。そのボディコントロールの良さと、裏道での扱いやすさは、ライバルに差をつけているところだ。
■「買い」か?
間違いないで欲しい。確かにこのパナメーラGTSはほぼ5mという大きく重いクルマである。しかし、その感覚は、小さく軽く感じる。また、リアホイールに最適な駆動力を伝達する電子制御リア・デフを採用した洗練された4WDシステムを持つ。
わわわれのテスト車両に付けられていたようなウインタータイヤであっても、その素晴らしいバランスは大きな信頼をもたらしてくれたのである。
(グレッグ・ケーブル)
ポルシェ・パナメーラGTS PDK
価格 | NA |
最高速度 | 286km/h/td> |
0-100km/h加速 | 4.5秒 |
燃費 | 11.2km/l |
Co2排出量 | 251g/km |
乾燥重量 | 1920kg |
エンジン | V8 4806cc |
最高出力 | 424bhp/6700rpm |
最大トルク | 53.0kg-m/3500rpm |
ギアボックス | 7速ダブルクラッチ |