想像以上の晩成型スーパースター 20選 後編 ランボルギーニ・チータほか
公開 : 2019.05.06 18:50 更新 : 2021.02.02 12:51
ランボルギーニ・チータ(1977年)
1970年代、ランボルギーニはV型12気筒を搭載したスーパーSUVではなく、アメリカ軍と契約を結ぶための堅牢なオフロードモデルの開発を目指していた。1977年のジュネーブ・モーターショーでデビューしたチータの設計には、政府からの依頼を受けていた防衛関連企業のモビリティ・テクノロジー・インターナショナル社(MTI)が援助していたという。仕上がったクルマは、実際の能力以上に、たくましいスタイリングをまとっていた。
だがチータに搭載されたのは、183psを発生させるクライスラー製のV8エンジンで、正直力不足だった。エンジンは乗員コンパートメント後ろにマウントされ、オートマティック・トランスミッションが組み合わされていたが、このドライブトレインでは流石に遅く、厳しいオフロード走行を耐えうるものではなかった。結局アメリカ軍はクルマを購入することはなく、多額の費用を投じ結果が生まれなかったチータの開発が、1978年のランボルギーニ社倒産のきっかけのひとつになってしまう。
経営体制が変わり、新しい上層部は新しいSUVの計画を再スタートさせ、1981年のジュネーブ・モーターショーでプロトタイプのLM001がお披露目された。レイアウトは依然としてリアエンジンだったが、当時中東で人気が高まっていたオフロード・レジャービークル市場を向いたクルマとなっていた。
LM001は1982年にLM002Aへと進化する。これにはカウンタック譲りのV型12気筒エンジンが搭載されることになるが、実際にLM002をリリースするまでに4年間を要した。今となっては、ランボルギーニとしては初めてとなるSUVはミステリアスな存在として、レジェント的な扱いを受けるようになっている。