想像以上の晩成型スーパースター 20選 後編 ランボルギーニ・チータほか

公開 : 2019.05.06 18:50  更新 : 2021.02.02 12:51

デロリアンDMC-12(1981年)

本来なら、デロリアンDMC-12は残念なモデルとして、自動車史の中に刻まれる可能性のあったクルマだった。倫理観を持った程よいスポーツカーとして計画されたが、開発途中に何度も道を外れることとなる。会社を設立したのはジョンZデロリアンで、ロータリーエンジンを搭載するはずだったが上手くいかず、プジョールノーボルボが共同開発したV型6気筒のPRVエンジンが採用されている。

厳しいアメリカの環境規制に合致させるために、エンジンの最高出力はわずか130psに抑えられており、スポーツカーと名乗るにはあまりに寂しい数字だった。価格の面でも厳しく、当初DMC-12は1万2000ドル(現在の価値で375万円ほど)で販売される予定だったが、1981年に発表された価格は、2万6175ドル(現在の価値で815万円)にもなっていた。

この価格は1万5248ドル(現在で470万円)のシボレーコルベットよりも高く、ポルシェ924ターボと911SCとの間の価格帯だった。会社とジョンZデロリアンにはスキャンダルネタも絶えず、資金的に行き詰まった結果、生産は1983年に終了する。

その後、1985年公開のハリウッド映画、バック・トゥ・ザ・フューチャーでタイムマシンに抜擢されたデロリアンは一躍脚光を浴びる。もしこの映画が存在しなければ、現在のデロリアンの扱われ方は、カナダ製のスポーツカー、ブルックリンSV-1と同程度だったのではないだろうか。

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