新型BMW 8シリーズに試乗 俊敏な走りの上級パーソナルクーペ
公開 : 2019.05.04 09:50
ボディサイズを忘れさせる俊敏な身のこなし
しかしだからといって、M850iが単なる大人しいだけのラグジュアリークーペかというと、断じてそうではない。かつての635CSiがそうだったように、アウトバーンやワインディングロードで鞭をくれれば、即座にスポーツクーペとしての側面を味わわせてくれる。
例えばワインディングロードを愉しもうという場合、ドライビングパフォーマンスコントロールはアダプティブのままでも充分にイケるが、もう一歩進んでスポーツをセレクトすると、エンジンのレスポンスが鋭くなると同時に、テールパイプからバルルルルッという爆音が奏でられる。たぶんこれには賛否両論あって、ビーエムよオマエもか、という気分になる御仁もいるのではないか。
それはともかくとして、スポーツでは脚が一段と締まったセッティングになって挙動もタイトになり、ボディサイズを忘れさせる俊敏な身のこなしを味わわせてくれる。しかしそれにもかかわらず、乗り心地への影響はさほど顕著ではなく、依然として当たりのソフトな角の取れた乗り味を提供し続けるところに、8シリーズの大人ぶりを見た気がした。