新型BMW 8シリーズに試乗 俊敏な走りの上級パーソナルクーペ
公開 : 2019.05.04 09:50
BMW流ラグジュアリースポーツクーペの走り
最初に書いたように、エンジンは530psと76.5kg-mという大パワーと強トルクを発生するから、深いスロットル開度を与えるとかなり爽快な加速が手に入る。けれども、Mチューンされたフロントがダブルウィッシュボーン、リアがマルチリンクの脚に、前後駆動力を必要に応じて無段階に可変するxDriveによるインテリジェント4WDがそれを制御するから、クルマはあくまで安定した挙動をキープする。
つまり、ドライバーが気持ちよくなれるペースまで攻めても、M850iは基本オンザレールの奇跡を描いてコーナーの連続を危なげなく走り抜けていくわけで、BMW流ラグジュアリースポーツクーペ、表現を変えればBMW流グラントゥーリズモの真髄ここにあり、という印象をうける。
もちろん8シリーズには新型3シリーズ同様、トリプルカメラを備える最先端の運転支援システムが標準層にされているから、必要とあればそれを使えばドライバーに疲労を軽減してくれるはずだ。だがその反面、ワインディングを走っている際に、前輪がセンターラインに近づいたときなどにレーンキープ機能が作動してステアリングが震え、驚かされることがある。ワインディングを走る際にはスイッチをオフにするといいだろう。
さらに、今年夏以降納車される3シリーズ、8シリーズ、X5の各モデルには、60km/h以下で高速道路を走る場合に限ってステアリングから手を離すことができる「ハンズオフ」機能が、他社に先駆けて導入されるという。高速道路で60km/h以下ということは、週末などの渋滞の高速道路でのみ使用可能のデバイス、と考えられる。