初試乗 ジオメトリAプロトタイプ 中国ジーリーによる新ブランド純EV
公開 : 2019.05.03 10:10
運動性能の向上はこれから
操作系は全体的に軽めの設定。ステアリングに伝わる感覚はほとんどなく、ブレーキペダルに伝わるフィードバックも感じられない。だが入力に対する反応は正確で、回生ブレーキも強力。中国の都市部では一般的な交通渋滞など、比較的低速域での走行もとてもしやすい。
コース内の低速コーナーやヘアピンを走らせたジオメトリAの運動性能は、お世辞にも良いとはいえるものではなかった。ボディロールはお大きく、フロントタイヤのグリップも限定的。25.3kg-mという太めのトルクもあり、加速時にはトルクステアが大きく、トラクションを充分に稼げてはいないようだった。もっとも、ジオメトリAが想定する主要なドライブシーンは、ここまで激しいものではないのだろう。
クルマとして、静止状態での質感や仕上がりは充分に納得できるレベルを得ている。ボディは大柄で全長は4736mm。フォルクスワーゲン・パサートよりわずかに短い程度だ。スムーズに仕上げられたエクステリアデザインは空力的に良さそうだが、様々なクルマを見慣れたわれわれには視覚的な魅力を感じにくいと思う。だが間近で見ると、上品で高級感は感じられるものだった。