ホットハッチ対決 ゴルフGTI TCRとライバルたち

公開 : 2019.05.05 19:00  更新 : 2021.03.05 21:34

鋭いコーナリングのトロフィーR

この効果は絶大だ。メガーヌは自分がラリードライバーになったと錯覚するほどの回頭性を見せた。その感覚には若干の不自然さが伴うものの、アペックスを通過した後はタイトなデフのおかげもあって鋭い加速で脱出することができる。エンジンは高回転域での伸びに欠けるが、地点から地点への速さで言えばこのクルマが最速のように感じた。

ややナーバスなところもあるが、危険なほどではなく、ここは個人の好みの領域と言えるだろう。カップシャシーは硬く、スプリング、ダンパー、アンチロールバーなどすべてが引き締められている。したがって、速く走るためにはしっかりとした荷重移動が必要だ。

言い換えれば、それなりの腕が求められるということである。トルクステアや不意のキックバックに常に備えておく必要があるのだ。路面が綺麗であればフラットなコーナリングが可能であり、超ワイドなフロントのトレッドが路面に食いつき素早く向きを変えるが、それに伴いテールが流れることも多い。

とはいえ、この少々不自然なオーバーステア風の挙動に慣れることさえできれば、トロフィーはどんな路面でも速く走ることができるだろう。

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