不自然な価格操作も

しかし、多くのバイヤーはそのおおよその価格をもともと知っている。特に同じモデルで年式、オプション、カラーが同じクルマに対し、競合がどんな値段をつけるかまでわかっているのだ。過去の取引における実績値がこれを決定づけている。

ただし、自動車メーカーが最新モデルをオークションに出品した際など、熱心なフランチャイズディーラーが真っ先にその車両を手に入れようとして高額な値段がつく場合もある。現在キャップHPIで査定部門を率いており、自動車メーカー幹部を務めた経験もあるデレン・マーティンはこのような価格吊り上げを度々目にしたという。

彼はメーカーによる中古車市場の操作を気にかけている。不自然な価格変動は市場に影響を及ぼす場合もあり、彼はその影響を可能な限り排除すべく、キャップHPIに届くデータの分析を続けているのだ。

キャップ・コンディションと呼ばれる3段階の評価を基準に、それぞれ相場から3%以上外れた価格についてはシステムが自動的にフラグを立てる。そして彼らが個別にその値付けの理由を精査し、全体の相場変動に関わるものかどうかを確認するのだ。スタッフは全国に分散しており、現地のディーラーやオークションを訪ねて情報収集にあたることもある。

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