快適性／静粛性　★★★★★★★★★☆

EVはこの数年で長足の進化を遂げてきたが、いまだ多くのひとびとがバッテリー性能の限界まで航続距離を引き出したいと考えており、それゆえノイジーでコンパウンドの硬いエコタイヤを履いている。そして車高を下げ、空気抵抗を減らしている。その結果、乗り心地はあまりよくないのが一般的だ。不整路面では車重の影響を打ち消すのにも苦心するが、小さくて重いクルマほどその傾向がある。

しかしe-ニロには、そうしたことがどれもあてはまらない。キャビンの遮音は上々で、思ったほどタイヤノイズは聞こえてこない、サスペンションは尖った路面の突起にしなやかな対応を見せながら、大きなそれもうまく御する。大きな隆起に制限速度付近で遭うと、長い波長の揺れで標準的なファミリーハッチバックより重たいことを知るだろうが、飛ばしても縦方向のボディコントロールが足りなくて戸惑うようなことにはならない。

キアはe-ニロのボディを空力的に磨き、風切り音を減らそうとした努力も報いられている。高速道路での巡航時には、ドアミラーとAピラーの辺りから風音がかすかに聞こえるが、不満を感じるほどではない。

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