運転支援システム 逆に危険も? ザッチャム研究所の実験を取材
公開 : 2019.05.25 10:50
対応の難しい割り込み
われわれは実際にその評価の様子を体験することができた。まず最初に、車線維持システムをテストするため2車線の道路を模したS字カーブを走行した。次は80km/hで走行するボルボV60に乗り、フィエスタ型の障害物に向かった。すると直前でフィエスタがわれわれの車線へと移動してきたのだ。ザッチャムが「割り込み」と呼ぶテストである。
これは多くのクルマに搭載されるシステムがなかなか対応しきれないでいるものだ。当然のごとく、V60の自動ブレーキは作動せず障害物に突っ込み、フィエスタはバラバラになってしまった。
「今までテストした中で最高のシステムは、非常にバランスが取れた動作をしていました。ドライバーがシステムに頼りすぎるほどの介入や急激な動作を控えつつも、必要な場面では確実なアシストをするものです」とエイブリーは説明してくれた。
「われわれの研究によれば、最近のドライバーは自分のクルマが自律走行可能であると誤解しがちであることがわかっています。しかし、実際はそうではありません。もしこれらの運転支援装備を過信すれば、安全性を高めるどころか重大な危険を招く結果になるでしょう」