新たな人生のスタート カルタ・ラリー ダチア・ダスターと傷痍軍人たちの挑戦
公開 : 2019.05.19 18:50
素晴らしいキャンプ 難しい現実
「レースそのものはあまり重要ではなくなってきています」とホワイトは言う。
「本当に素晴らしいのはレースに伴うキャンプです。そこでは、みんながそれぞれの問題をオープンに語り合うのです」
そして、ダチアがフューチャー・テレインに4台のダスター・ディーゼルを提供したことで、彼らの活動の場はBCCC以外にも広がることとなったのだ。3台はすでにカルタ・ラリーへ出場可能な状態であり、そのうち1台には、BCCC参戦可能な競技仕様のロールケージが、残る2台には、カルタのようなラリーやデモ走行で使用可能な、ボディ外付けのケージが与えられていた。
ダスターによって、フューチャー・テレインの可能性は広がったが、それでも、まだその活動は比較的手ごろなものに留まっている。アマチュアも出場可能なカルタ・ラリーで、彼らが参加するのは、決められた各座標間を、所定の時間内に通過するGPSカップ部門であり、このレースにおいて重要となるのは、全開走行ではなくナビゲーション能力と地形を読む力なのだ。さらに、元軍人にとって、特に砂漠のような場所は非常に馴染み深い場所でもある。
さらに、もし人生に大きな影響を与えるほどの心理的、肉体的なダメージを負った場合は、より困難な状況に陥ることになる。ホワイトは、軍が「素晴らしい」支援の輪を提供してくれていると話すが、それでも、そうした活動によって、ふたたび「過去の古傷を思い出させる」こともあるという。「彼らにそうしたことで、苦しんで欲しくはないのです」
総勢14名のフューチャー・テレイン・カルタ・チームのメンバーの、軍での任務や障害の程度、そしてモータースポーツ経験はさまざまだ。