過去と未来を繋ぐ場所 ビスター・モーション 自動車世界の未来を体現?
公開 : 2019.05.19 16:50 更新 : 2020.09.21 21:34
出会いは偶然 敷地内をご紹介
6年前、ゲーガンが当時すでに閉鎖されていたビスター英国空軍基地を訪れた時、ここは英国で危機に瀕する歴史的エリアのリスト登録から5年が経過しており、彼がビスター・モーションの舞台として、この場所を発見したのは偶然だった。
「これほど広大で、これほど完ぺきな場所が見つかるとは思っていませんでした」と彼は言う。「ここはビスターで人気のショッピングビレッジからも目と鼻の先です。3年後には危機リストから除外され、その直後にはイングランド歴史的・記念物委員会から、積極的保護を行う優れた例として表彰を受けることができました。このことはわれわれにとって、大きな誇りとなっています」
ここにあるオリジナルの建物のほとんどが、目を引く赤いレンガ造りとなっているが、それは、こうした建造物を好んだ高名な建築家、サー・エドウィン・ラッチェンスが、公共建築管理委員会のメンバーだったからだ。
新たにオーナーとなったゲーガンは、計画的な修復作業を進めるとともに、いくつかの建物には新たな役割を与えており、いま、この場所を訪れてみれば、秩序のなかに、その伝統に裏打ちされた落ち着きを感じることだろう。
ゲーガンが運転するロングホイールベースのランドローバーか、軽快な走りが魅力の1920年代製アルヴィス 2シーターで、敷地全体を巡るツアーに出てみれば、その驚くべき広さと、潜在力の大きさを実感するとともに、ビスター・モーションが2000人分の新規雇用を創出し、すでにこの地で計画が進められている、数千もの新規居住者を集めることになるのも当然だと思えてくる。
芝敷きの離着陸場との境界に立つ4棟の1920年代製の格納庫は、エントランスゲートからでも、滑走路のエプロンからでも目にすることのできる、ザ・ラジアルという名の高速周回路に面したビスターでもっとも目立つ建物であり、可能な限りオリジナルの姿を維持したまま修復され、最大2000人が入ることのできる展示イベントスペースとして活用されることになる。