ロードテスト マセラティ・レヴァンテ ★★★★★★★☆☆☆
公開 : 2019.05.19 11:50 更新 : 2019.06.05 19:05
快適性/静粛性 ★★★★★★☆☆☆☆
レヴァンテの運動性能に関する不足を考えると、快適でリラックスしたロングツアラーとしての説得力で名誉を挽回してもらいたいところだが、そうはいかなかった。そわつく感じはプライマリーライドもセカンダリーライドも乱すだけでなく、ほかにも多くの悪影響をもたらす。
たとえば外界と乗員を隔絶する能力は、素晴らしいというところからはかけ離れている。高速道路の速度域でのタイヤノイズは明確で、エンジンノイズも疲れの大きな原因となる。113km/hでの定速巡航では、V6の滑らかな轟きが絶え間ない唸りに取って代わられるのだ。そうした状況下で計測した室内騒音は68dBで、あの騒々しい5.0ℓV8スーパーチャージャーを積むレンジローバー・スポーツSVRより1dB大きい。
シートレールやステアリングコラム、さらにはペダルのアジャスト性によって、なんとか快適性の失地をいくばくか回復しているが、それでも決して自然に感じられないドライビングポジションを完全に紛らわすことはできない。グランスポーツ仕様ではやや小径になるステアリングホイールも、テスト車のそれは驚くほど大きく、角張ったリムの握り心地もよくない。足元はひどく狭く、ペダルは明らかに右へオフセットしており、しかも左足を置くスペースもあまりない。シートは、横方向のサポートは豊富だが、ランバーサポートを適切に調整するのが難しいという声が、何人かのテスターから上がった。