試乗 トヨタGRスープラ 海外の意見、及第点だがフィールは要改善

公開 : 2019.05.16 10:10  更新 : 2021.03.05 18:46

シャシーセッティングに不満

トヨタのエンジニアがなんというにせよ、この8速ATはこのクルマに合っていない。確かに速いが、DCTほどのキレがない。そしてシフトダウンはやや遅い。トヨタは車重を理由にDCTを諦めたと説明するが、ケイマンやA110などのより軽量なクルマにも搭載されている。しかし、本当の意味でスープラに欠けているのはシャシーのセッティングだ。

まず第一に、サスペンションの柔らかさである。標準のアダプティブダンパーはボディの上下動を抑えてくれるはずだが、限界域では完全に抑え込めていない。常にクルマは安定してはいるが、それもミドエンジンのライバルに及ばない。ドライの路面ではアンダーステア傾向はなく、現れるのはオーバーステアのみだ。この点は良いが、ライバルほどスロットルによる姿勢制御が容易ではない。

第二に、ステアリングは操作性は良いのだが、路面情報がほとんど伝わってこないのだ。そして最後にブレーキペダルのフィールが悪く、サーキットでの全開走行を連続で行うのは難しいだろう。

とはいえ、これらの問題はさほど大きなことではない。最も残念なのは、これだけ素晴らしいデザインを与えられているにもかかわらず、あと一歩及ばない部分が見受けられることだ。これ以上のパワーは必要ないが、BMWがすでにこのエンジンに使っている6速MTを搭載するだけでどれだけ印象が良くなることか。そしてわたしは硬すぎるサスが嫌いだが、少し乗り心地を犠牲にしてでももう少しだけ粘るようにしても良いのではないか。さらに、より大径のブレーキが望まれる。

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