フォルクスワーゲンTクロス1.0 95ps仕様に試乗 ファッションだけではない実力派
公開 : 2019.05.17 10:10 更新 : 2019.05.20 17:20
少し高めでも納得できる完成度
5速マニュアルということで、ギア比のステップも大きいため、2000rpm以下でのピックアップはやや鈍重なのは否めない。しかしレスポンス自体は良いし、パフォーマンスとしては余裕に溢れているとまではいかないまでも、不満を感じることもないだろう。
追い越し時などで6000rpmまで回転を上げれば、比較的速やかに追い越しを完了することもできる。ムキになってアクセルを踏み込むようなことは不要なはずだ。
路面の大きなコブや、轍などを越えた時のボディコントロールは、制限速度で走っていてもどこか接地感の薄い浮ついた印象がある。Tクロスのボクシーで背の高いボディと、柔らかいスプリングとの組み合わせによるところが大きいと思う。だとしても、ハンドリングの正確性や高速走行時のスタビリティに悪影響を及ぼしてはいない。
コーナリング時にはボディロールも示すが、シャシーの反応に変化はなく、コーナリング中のフィーリングにも安心感がある。高速道路を走行中の横風や、不意なくぼみなどでステアリングを取られることもない。低速域での静かやさ、幹線道路を流している時の減衰力の効いた乗り心地も充分に優れている。少し高めの価格設定でも、納得できる完成度だ。