試乗 フィアット500X改良新型 新エンジン1.3ℓターボ/内装/サイズを評価
公開 : 2019.05.18 09:50
ターボらしいターボ
で、500に比べればもっこり大きく見えてもチンクの愛らしさは十分。誉め言葉と受け取って貰えるかどうか微妙だが、カエルの置物みたいな愛嬌が個人的には凄く気に入っている。実用性と愛嬌を両立させているのが500X最大の魅力である。
新パワートレインの特性は、けっこう「ターボ味」が濃い。無反応というわけではなく、踏み込み直後からトルクは立ち上がるのだが、そこからさらにトルク増加。扱いにくいわけでもないし、後伸び感がターボらしい加速感にも繋がるが、性能追求時代のターボ的な印象もある。
低速域での加減速の滑らかさやクラッチ制御が多少気になったが、小気味よい変速感をもたらす6速DCTはスポーティな味わいという点では新エンジンとの相性がいい。引き締まったサスストローク制御や中立から機敏に反応する操舵感によりハンドリングも軽快である。
愛嬌と小粋さの内外装を考えると走りももっと穏やかな路線でいいような気もするが、500系の上級発展モデルという位置付け、さらにはクラスアップしたことで高速長距離用途への対応力の強化も求められるので、この辺りが落とし所なのだろう。