最古のポルシェ タイプ64、出品 どんなクルマ? 予想落札価格22億円
公開 : 2019.05.19 11:10
現存するのはたった1台という最古のポルシェが、モントレーで開催されるオークションに出品されます。予想落札価格22億円というこの驚愕の車両は、フェルディナントとフェリーのポルシェ親子が実際にステアリングを握った、ポルシェ伝説始まりのモデルです。
もくじ
ー ポルシェの至宝 ベースはKdFワーゲン
ー レースのために 苦難の歴史
ー 驚きのオリジナル度 スポーツカーの原型
ポルシェの至宝 ベースはKdFワーゲン
ポルシェの至宝とでも呼ぶべき、フェルディナントとフェリーのポルシェ親子が創り出し、初めてポルシェを名乗った最古のモデル、タイプ64が、今年の後半、オークションに出品されるという。
この歴史的価値を持つ車両は、今年8月、カリフォルニアのモントレーで行われるRMサザビーズ・オークションへの出品が予定されており、落札予想価格は明らかにされていないものの、その価値は、間違いなく数百万ポンドは下らないだろうと言われている。
サザビーズの専門家は、少なくともその価格は2000万ドル/1546万ポンド(約22億円)に達するだろうと話しており、「ポルシェのエンジニアリングとデザインの歴史にとって、現存するなかでもっとも重要な存在」だとしている。
「まさに、ポルシェの起源として、伝説を生み出した存在であり、フェルディナントとフェリーがともに腰を下ろしたシートに座ることが出来るという、2度とない機会をコレクターの方々に提供することになります」
タイプ64は、ポルシェ初の量産モデルである356の前に登場しており、1939年9月に開催が予定されていたベルリン-ローマ間1500kmを走破するロードレースに出場するため、フェルディナント・ポルシェが生み出したものだ。
当時、すでにポルシェでは後のフォルクスワーゲン・ビートルとなる、KdFワーゲンの生産計画を進めていたが、フェルディナントは、より軽量で、レースに適したスポーツモデルも創り出したいと考えており、アウトバーンとKdFワーゲンの発売開始をアピールすべく、ベルリン-ローマ・ラリーの開催が発表されたことで、彼にはそのチャンスが巡って来たのだ。
ドイツ政府から、KdFワーゲンをベースに、3台のレーシングバージョンを作り出すよう依頼を受けたポルシェと彼のエンジニアたちは、早速タイプ64の製作に取り掛かっている。