最古のポルシェ タイプ64、出品 どんなクルマ? 予想落札価格22億円

公開 : 2019.05.19 11:10

驚きのオリジナル度 スポーツカーの原型

当時、ポルシェでは356の計画が順調に進んでいたことから、タイプ64への関心は薄れつつあったが、幸運にも、このクルマを気に入ったオーストリアのプライベートレーサー、オットー・マテが、1949年にポルシェからこのクルマを買い取っている。

1950年代、マテはタイプ64を駆ってレースで活躍し、初めての真のポルシェレーサーと呼べる存在となったが、その後も1995年に亡くなるまでの46年間、一度もこのクルマを手放すことはなかった。

マテの死から2年、ふたたびこのクルマは売りに出され、ポルシェ専門家のトーマス・グルーバーの手に渡っているが、さらにその後、オークションを経て4番目のオーナーのもとへと嫁いだのは10年以上前のことだった。

最近、この車両をチェックした専門家のアンディ・プリルは、「長年数々の特別なポルシェを見てきましたが、これほどの車両は初めてです。このクルマでは、シャシーに至るまで、徹底的な調査を行っています」と話している。

「調査には多くの日数を費やしましたが、その結果、この車両の主要なコンポーネントはすべて、1939年から1940年にかけて製作されたオリジナルであることを確認しています。ポルシェのなかで、もっとも歴史的な1台であり、これほどオリジナル度の高い、ポルシェ黎明期のモデルを見つけ出すことができたのは、驚きでしかありません」

「モントレーでは、数々の歴史的価値のある車両をご紹介してきましたが、タイプ64もそのなかの1台となります」とRMサザビーズでオークション責任者を務めるゴード・ダフは語る。

「タイプ64は現代のスポーツカーの原型とでも呼ぶべきモデルであり、その特徴の多くは、70年以上に及ぶポルシェ歴代の車両に受け継がれるとともに、いまもっとも高い人気を誇る現行モデルのなかにも見つけ出すことができます」

モントレーで行われるRMサザビーズ主催のオークションは、ペブルビーチ・コンクール・デレガンス期間中の8月15日から17日にかけて開催され、アストン マーティンの出品も予定されている。

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