WRCで最も過激だった1980年代 8車8様 グループBの暴れ馬
公開 : 2019.05.19 10:10 更新 : 2020.12.08 10:40
フォード・エスコートRS 1700T(1983年)
レイアウト:フロントエンジン・後輪駆動
エンジン:1778cc直列4気筒ターボ
最高速度:225km/h
レース・レトロに登場したフォードエスコートRS 1700Tは、わずか18台が生産され、生き残ったわずか5台の内の1台。大成功を収めていたフォード・エスコートMk2のRS1800に置き換わるかたちで登場したマシンだ。ドライバーはハンヌ・ミッコラやビョルン・ワルデガルド、アリ・バタネンなど精鋭ぞろい。しかし、1994年、フォード・モータースポーツのマネージャーとしてステュアート・ターナーが加わると、1700Tのプロジェクトは中止されてしまう。新しく、フォードRS200を開発するためだった。
スティーブ・リマーはこのクルマを所有して5年目。「わたしがこの1700Tを購入したときは、ばらばらの状態でした。知り合いとともに組み立て直したのです」 ほとんどのプロトタイプは、フォードの手によって廃車にされたが、南アフリカ向けに作られたクルマは、それを免れた。このクルマもその1台となる。
ボディの形状以外は別物なグループBのマシンということもあり、エスコートRS 1700Tも前輪駆動のエスコートMk3とはまったく異なるクルマとなっていた。当初はF2用のハント製2.4ℓエンジンでテストされていたが、最終的にはターボ過給される16バルブのBDTコスワースエンジンが採用された。最高出力は300ps以上で、後輪を駆動し、0-96km/h加速に要する時間は4.0秒を誇った。