初試乗 トヨタ・カムリ2.5ハイブリッド 英国で評価 スポーツモード搭載
公開 : 2019.05.20 11:50 更新 : 2021.01.28 17:43
あくまでも相対的なスポーツ感
デザイン・グレードに装備されるのは17インチサイズのアルミホイール。特に極端なサイズではないから、ロードノイズも小さいうえ、乗り心地の面でも、大径ホイールの悪癖のようなものはない。ボディの風切り音も静かだった。
搭載されるトランスミッションはCVT。ノーマルかエコモードを選択していると、力強い加速を求めた時などでは、CVTが不要にエンジンの回転数を高めてしまう傾向があるのは、いつものこと。エンジンの回転数にあった加速感が有るわけでもなく、音だけがエンジンの頑張りを教えてくれる。
スポーツモードを選択すると、シーケンシャル・シフトモードが有効になる。走行パフォーマンスも明確に向上するものの、BMW3シリーズがドライバーへ提供してくれる密な運転感覚を、カムリが与えてくれるわけではない。率直に楽しいか、と聞かれれば、肯定はできないだろう。
「スポーツ」という言葉は、あくまでもカムリの中での相対的なものと考えると良い。また0-100km/h加速は8.3秒だが、追い越し時などでは、最大トルクがそれほど豊かではないことを忘れないでおきたい。
しかし、カムリがBMWのようなスポーティさを備えていないとしても、大きな問題にはならないだろう。トヨタが仮にスポーツモードでダイナミックな運転体験を与えていたとしても、それを目的にカムリを選択するひとは、多くはないはず。強い購入動機を生み出せるわけでもないと思う。むしろ、クルージング時の上質なフィーリングの方が、サルーンを選ぶターゲット層にはストロングポイントになるのだろう。