英国の車検制度(MOT)改正 自動車の進歩、検査はより厳格に その影響は?
公開 : 2019.06.09 09:50
英国版車検制度と言えるMOTが昨年5月に改正されました。厳格な検査方法の導入により、不合格となる車両の数は激増していますが、それでも、今回の改正は、おおむね多くのドライバーに受け入れられているようです。自動車の進歩に合わせ、検査も変わっていく必要があります。
もくじ
ー 不合格数は増加
ー ガソリン車の高い不合格率 なぜ?
ー 最初は混乱も ドライバー次第
ー 車両は進歩 検査方法も
ー 番外編1:さらなる進化を模索中
ー 番外編2:2018年不合格理由トップ10
不合格数は増加
運転免許が無事取得できたら、つぎの問題は、自分のクルマがMOT検査をパスするかどうかであり、万一不合格となった場合、それなりのコストを掛けて、必要な改修を迫られることとなる。
そして、2018年5月20日のMOTテスト改正以降、残念ながら、この時間とお金の掛かる対応を求められるディーゼル車オーナーの数が非常に増えているのだ。
改正によって、ディーゼル排ガス試験が非常に厳格なものとなり、マフラーから直接排出される排ガスや、エンジンマネジメントシステムからのアラーム、さらにはディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)といったものが、厳しく検査されるようになっている。特にDPFについては、厳しくチェックされ、検査官は改ざんの兆候にも目を光らせている。
この結果、2018年5月から2019年2月までにMOTテストを受けたディーゼルモデルで、排ガス関連で不合格となった車両の数は、前年同期比で63%も増加している。
その主な原因は、排ガスシステムの不具合を知らせるエンジンマネジメントシステムからのアラームであり、全体で8万3000件以上、排ガス関連のすべての不具合の32%を占めていた。一方で、DPFに起因する不合格数は1397件に留まり、全体に占める割合も0.5%へと減少している。
「煤や灰によるDPFの閉塞が大きな問題であり、その結果として、警告灯が点灯しているのです」と、年間8万5000台のMOTテストを実施するMotest社の責任者、ジョン・ボールは話す。
「テスト改正前、DPF詰まりに対して、車両オーナーはDPFに穴をあけてフィルターを取りだし、ふたたびその穴を塞ぐという方法を選択しており、検査官が目視する限りにおいては、DPF自体は問題無く取り付けられているように見えました。DPFが機能するかしないかは問題ではなかったのです」