英国の車検制度(MOT)改正 自動車の進歩、検査はより厳格に その影響は?
公開 : 2019.06.09 09:50
最初は混乱も ドライバー次第
ボールは、MOTテストが改正された日のことをよく覚えており、ひとつの変更が大きな混乱のもととなったという。
「改正前のテストでは、結果は単に合格か不合格だけだったものが、今日からは不具合の内容に応じて、危険と重大のふたつに分ける必要があることを、その日、多くの時間を割いて説明し続けました」と彼は話している。
「このふたつにはそれほど違いが無いように思うかも知れませんが、幸いにも、検査官にとってこの区分は明白なものでした。改正後の数週間で特に問題となったのは、いくつかの修理工場では(Motestではありません)、危険と判断された不具合を有する車両のオーナーに対して、そのクルマに乗って帰ってはいけないと話していたことでした。なかには、オーナーから車両のキーを取り上げ、修理を強行しようとしたところまであったのです」
「もちろん、彼らにそんな権限はありません。法に違反してでも、自分のクルマに乗って帰るのか、MOT無しの状態で、危険な状態にある車両を使用し続けるかどうかは、すべてドライバー自身の判断です」
分類には、このふたつ以外にもう1種類あり、それは「軽微」な不具合と呼ばれている。事故を引き起こすほど重大ではないということであり、「軽微」と「重大」の違いは、例えば小さな電球といったもので説明することができる。
「ふたつの照明を備えたナンバープレートの例でご説明しましょう」とボールは言う。「ひとつの電球が点かないだけなら、まだプレートを読み取ることは出来るので、軽微な不具合と判断されます。ですが、ふたつとも点灯しない場合、それは重大な不具合となります」