新型 ポルシェ・カイエン・クーペ・ターボに試乗 息を呑む速さ 21世紀のGT
公開 : 2019.05.24 10:10 更新 : 2019.05.26 06:11
エンジンのラインナップは通常モデルと同様
カイエン・クーペの車内を覗いてすぐに気づくのは、車内が若干狭くなっているだけでなく、リアシートの定員が減っていることだろう。通常のカイエンに備わっている3名がけのベンチシートは、左右に独立したシートに変わり、中央には深い小物入れとカップホルダーが据えられている。ただし、2+1の3名掛けシートも無償オプションも選択が可能ではある。またルーフラインが低くなった分、座面も30mm低くなっている。
しかし、ラゲッジスペースはかなり削られてしまった。数値としては標準が745ℓなのに対し、625ℓ。リアシートの背もたれを倒せば1540ℓにまで広げることができるが、こちらも標準から138ℓの減少となっている。そしてカイエン・クーペ・ターボの場合、更に少なくそれぞれ600ℓと1510ℓへと縮んでいる。
インテリアの残りの部分は基本的に通常のカイエンと変わりはない。整然と整ったダッシュボードの中央には、巨大なワイドモニターが収まる。使用されている素材は最上級と呼べるもので、フィッティングも素晴らしい。4シーター・レイアウトにロー・アンド・ワイドなプロポーションは特別感と高級さを漂わせる。まさにプレミアムと呼ぶに相応しい。
メカニカルの部分では、プラグイン・ハイブリッドを除いて、通常のカイエンと同じエンジンの選択肢が用意されている。340psのエントリーグレードと440psのSに搭載されるV6エンジンの他に、今回の試乗車、ターボ用には549psを発生させるV8エンジンもラインナップ。組み合わされるトランスミッションはエンジンに関係なく共通のZF製8速ATとなる。駆動方式はクラッチを備えた4輪駆動で、後輪のスリップが検知されない限り、前輪へトルクが伝わることはない。
シャシー周りも基本的には変更点はないようだが、先述の通りリアトレッドは通常のカイエンのものより18mm広げられている。電子式アクティブ ダンピングシステム、PASM(ポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメントシステム)はすべてのクーペに標準装備となり、ターボ・グレードには3チャンバー式のエアサスペンションが奢られる。残りのグレードも、オプションで選択は可能だ。
48Vの電圧で作動するPDCC(ポルシェ・ダイナミックシャシー・コントロールシステム)も採用され、アクティブロールバーがコーナリング時の姿勢を安定させてくれる。加えてPTV(ポルシェ・ポルシェ・トルク・ベクトリング)プラスと、後輪操舵システムも選択が可能。今回の試乗車にはこれらがすべて実装済みだった。
さて、走り出してみよう。