ロードテスト BMW 320d ★★★★★★★★★★
公開 : 2019.05.26 10:10 更新 : 2019.06.06 00:56
7代目3シリーズの、欧州での主力モデルとなりそうな直4ディーゼル仕様をテスト。人気グレードながら乗り心地に難のあるMスポーツ仕様ですが、スポーティ派のみならず受け入れられそうな仕上がりに、英国編集部は満点をつけました。
もくじ
ーはじめに
ースペック
はじめに
BMW自身でさえ、3シリーズがこれほど大きな進歩を遂げるとは予測していなかっただろう。初代のE21が華奢な02シリーズに代わって登場して以来の44年間、7世代を数える3シリーズが1500万台以上販売されてきた。グローバルなマーケットでSUVやクロスオーバーが幅を効かせるようになったとはいえ、BMWの2018年における販売台数の内訳では5シリーズがそれらをわずかに0.8%ながら上回った。1975年のデビューから、3シリーズはミュンヘンの自動車メーカーにとっての主力車種となったばかりでなく、小型プレミアムセダンのセグメントにおいて多くの点で他社からベンチマークと見なされるようにもなった。
このあまりにも計り知れない、ジャンルを確立するに至った成功を踏まえれば、必然的にその双肩にかかる期待も大きなものとなる。新型3シリーズはライバルをはっきりと凌がなければならないのはもちろん、運動性のクオリティにおいて先代モデルの水準も超える必要がある。BMW信者の大多数が、ソフトだと考えた先代をだ。
新型のG20モデルに課されたのは、確かに難題だ。2012年に先代のF30モデルをロードテストにかけた際、結果は満点だった。いうまでもなく、われわれはそう簡単にここまでの高評価を与えることはない。しかし、F30が見せたパフォーマンスと経済性とのブレンドぶりや素晴らしいハンドリング、スタイリッシュながら実用的なインテリアはクラストップで、さらなる進歩を遂げたように思われたのだ。
それだけに、G20モデルが同様にライバルを圧倒できるのかは興味深いところだ。そのライバルたちが、かつて3シリーズと真っ向勝負できたことはなかったが、今回の320d Mスポーツの場合はどうだろうか。メルセデス・ベンツCクラスは、これまでよりシャープな走りとラグジュアリーさを手に入れた。最近リフレッシュされたジャガーXEは、このセグメントで際立ったドライバーズカーであると主張している。そもそも数年前には、このカテゴリーを激震させるアルファ・ロメオ・ジュリアが誕生しているのだ。