AUTOCARアワード2019 デザイナー賞 ローレンス・ヴァン・デン・アッカー

公開 : 2019.06.02 07:50  更新 : 2019.06.03 08:54

今年のスターメーアワード(デザイナー賞)に輝いたのは、ルノーでデザイントップを務めるローレンス・ヴァン・デン・アッカーです。「サイクル・オブ・ライフ」の新たなデザインコンセプトを導入した彼は、ルノーに大きな変化と成功をもたらすことに成功しています。

もくじ

破壊的デザイナー 新たなデザインビジョン
サイクル・オブ・ライフ
変化が必要 大きなチャンス
コンセプトモデルはこれからも 新たなデザインフェーズ
番外編1:ヴァン・デン・アッカーに訊く
番外編2:重要なモデルたち

破壊的デザイナー 新たなデザインビジョン

ルノーのデザイントップを務める、物腰の柔らかな長身のローレンス・ヴァン・デン・アッカーを見ても、決して革新的なデザイナーだとは思わないかも知れないが、彼は、過去10年でもっとも影響力のある、破壊的なデザイナーのひとりだと評価されている。

2009年にルノーへ移籍すると、この人懐っこい53歳のオランダ人は数週間のうちに、30カ国、総勢550人の才能あふれるデザインチームをまとめ上げて、ルノーデザインの新たな方向性を創り出すとともに、金融危機の影響に苦しむ経営チームに、その見事な成果を認めさせることに成功している。

驚異的なペースで、彼はすべてのルノー製モデルのスタイリングを刷新し、数々の見事なルックスを持つモデルをデビューさせると(と同時に、それまでのスタイリングを過去のものにしている)、このフランスのカージャイアントに、彼でなければ成し得なかった復活の道筋を与えている。


さらに、ヴァン・デン・アッカーと彼のチームは、ルノーが長く信奉していたものの、近年失われていた、エモーショナルなデザインの価値を復活させるべく、素晴らしいコンセプトモデルたち発表しており、その流れはいまも続いている。

「われわれのコンセプトモデルというのは、これからもエモーショナルなデザインで、お客様を魅了し続けるという、ルノーの意志の表れです」とヴァン・デン・アッカーは話す。

革新的な自動車デザインという考え方は、決して目新しいものではない。通常、新しく就任したデザイナーは、扱い易いモデルから新たなデザインの適用を始め、保つのが難しいスタイリングの一貫性というものを期待しながら、モデルレンジ全般へと広げていくものだが、ヴァン・デン・アッカーがもたらした重要なイノベーションであり、彼が、これまで数々の偉大なデザイナーたちに与えられてきた2019年のスターメーアワードを受賞する理由となったものこそ、彼が創造し、ルノーの全モデルへと適用したデザインビジョンに他ならない。

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