AUTOCARアワード2019 デザイナー賞 ローレンス・ヴァン・デン・アッカー
公開 : 2019.06.02 07:50 更新 : 2019.06.03 08:54
番外編1:ヴァン・デン・アッカーに訊く
キャリアにおける挑戦
「いままでのキャリア全体が挑戦だったと言えるでしょう。ドイツではデザインを、日本ではマネージメントを学びました。マツダでの日々は素晴らしいものでしたが、ルノーには大きな可能性がありました。わたしで良かったのでしょうか?」
デジールのデザイン
「チーム全体でデザインを始め、7つの案からすぐに4つに絞り込み、最終的にそのなかのひとつを採用しました。最初のコンセプトモデルとして、ゴージャスなものである必要がありました。デジールとクリオの作業は並行して進めています」
ルノーにおける初期の課題
「何が間違っているのかを把握する必要がありました。スタッフ? 社内政治? マネージメント? 多くのひとびとがルノーを愛していましたが、その対象を失っていたのです」
「サイクル・オブ・ライフ」
「最初の2週間でこのコンセプトを創り出しました。新参者として、時間的な余裕はなく、一刻の猶予も許されませんでした。24時間全力で取り組めば、多くのことを成し遂げることができます」
ルノートップへのデザイン提案
「パトリック・ペラタには直接会って、サイクル・オブ・ライフのアイデアを説明しました。彼は怪訝そうな表情を見せましたが、何も言いませんでした。ノーと言わなければ、それはイエスであることを学んだのです」
フランスらしさとは
「働くのはフランスが7カ国目です。しばらくすれば、つねに質問し続けるよりも、努力して文化を理解したほうが、より早く仕事を進めることができ、より充実感が得られるということが分かるようになります」
仕事の厳しさ
「550人のチームで、同時に50から60のプロジェクトを並行して進めています。フェイスリフトや、ショーモデル、先行プロジェクト、そしてニューモデルなど、やるべきことは大量にあるのです」
ハッピー・ルノー
「最初にルノーはつまらない、悲しく、灰色だと言われました。ですから、豊かな色彩を取り戻す必要があると確信したのです。ルノーは人生に楽しみをもたらす存在でなければなりません」
デザインの成果
「ルノーにとって、なにか素晴らしい仕事をしたとすれば、それはサイクル・オブ・ライフのコンセプトを創り出したことだと思います。このコンセプトが、ニューモデルで成し遂げることのできた成功のもととなったのです」
失敗
「カーデザイナーというのは芸術家ではありません。会社と状況に応じたデザインをするのであり、自分自身のためではありません。そのことを理解するにはしばらく時間が必要でした。その成果はあきらかです」