AUTOCARアワード2019 生涯功労賞 マイク・クロス/ジャガー・ランドローバー
公開 : 2019.06.02 09:50 更新 : 2019.06.03 08:54
番外編1:類まれなる英国のリーダー グレイム・グリーブ/BMW UK
誰もが、BMW UKで取締役を務めるグレイム・グリーブは、BMW社内で起こっていることなら何でも知っていると言う。29年間をBMWで過ごしてきたグリーブだが、彼は、BMWとロールス・ロイス、さらにはミニの各ブランドで、英国のみならず、本社でもさまざまな役割を経験してきた。
2014年、ミュンヘンから、BMW UKの舵取りを担うべく英国へと戻ってきたとき、グリーブは、「市場が大きく変化しており、それは特にプレミアムブランドにおける競争のレベルに見て取ることができます」と話している。
最初の数年間は、「順調」だったと言う。「市場は依然として成長を続けており、35%もの伸びを見せたことで、プレミアム市場における主導的立場を取り戻すとともに、ディーラーの皆さんも見事な業績を上げていましたから、素晴らしい状況でした」
「非常に順調だ」と考えていました。
経済が減速するにつれて、グリーブの見立てが変わり始めたのも当然であり、彼の初期の成功とともに、この危機に対する対応こそが、傑出した英国のリーダー賞を受賞した理由となっている。昨年、英国販売は若干減少したものの、アウディやメルセデスの減少幅はBMWの比ではなかった。
グリーブはBMW UKの最大の強みのひとつは、その柔軟性にあると言う。「毎月市場の動きを追い、機会を探しています」と彼は言う。さらに、ディーラーとの契約もよりシンプルなものへと変更するとともに(「販売マージンの取り決めも非常に複雑なものであり、その内容は18ページにも及んでいましたが、いまではたった2ページです」)、彼がこんにちの成功のキーになったと考えている、より協力的で、透明性の高い文化を創り出すことにも成功している。
2019年は、強力なニューモデルが登場するものの、市場の難しさもあり、業績は前年並みだと予想しているが、彼は楽観的な見方を崩していない。「業界にとって、主要な課題はデジタル化への対応スピードです」と彼は言う。「もっとデジタル化への対応を進める必要があります。どのように顧客や変わりゆく市場へアプローチしていくかといったようなことです」
グリーブは真っ当なクルマとバイク好きでもあり、いまはM5を所有しているが、近々850クーペに乗り換える予定だという。だが、507とE30 M3が長年のお気に入りだとして、出物のチェックは怠らない。