AUTOCARアワード2019 エンジニアリング部門 アンドレアス・プロイニンガー/ポルシェ
公開 : 2019.06.02 18:50 更新 : 2019.06.03 08:54
成功の秘密 最後に残るのはスポーツカー
プロイニンガーは、GT部門成功の理由を、ひとつの目的に特化したからだと言う。「GTモデルは、すべてのひとに好かれる必要はありません。ですから、感情を揺さぶるようなスポーツカーという、ひとつの目的に特化することができたのです」と彼は言う。「これは間違いなく、われわれのアドバンテージでした」
「われわれが創り出すのはニッチなモデルです。それほど妥協することなく、特定のドライバーの特定の要求に応えられるように、車両をチューニングしています。そしてGTモデルはモータースポーツ用車両でもあります。GTモデルの開発を行っている多くが、モータースポーツ好きであり、レースカーも手掛けているのです」
「これは、非常にユニークなアピールポイントとなります。なぜならGTモデルを創り出しているパフォーマンスエンジニアは、同時にGT3 R とRSRのプロジェクトにも参加しており、レースから得られた技術を最短ルートで展開することができるのです。これは非常に重要な点です」
そして、それはポルシェのGTモデルに、電動化の選択肢がまだ用意されていないことを意味している。
「通常のスポーツカーに対しては、電動化の可能性が検討されていますが、サーキット向けであるGTモデルは別です」と、プロイニンガーは話す。だが、レースカーが電動化されれば、この状況にも変化がもたらされるとも付け加える。
「つねに、サーキットで使用されるモデルと、公道向けに販売される車両の間に、繋がりを感じさせる必要があります。ホモロゲーションもその理由のひとつですが、同じDNAを共有し、同じプラットフォームを採用していなければならないのです。さもなければ、GTモデルに対する信頼が失われてしまうのです」
さらに、「ハイブリッドとEV、そしてハードコアモデルの3本柱に注力するというのは、ポルシェにとって正しい選択であり、歴史的にも正しいポルシェのスポーツカーです。フェリー・ポルシェはかつて、最後に残るクルマとはスポーツカーであると述べていますが、わたしは彼の考えは正しいと信じています」 素晴らしい!