AUTOCARアワード2019 モータースポーツヒーロー部門 ジョージ・ラッセル
公開 : 2019.06.01 10:50 更新 : 2019.06.03 08:54
チャンスは逃さず
2年間、メルセデスでF1のテストドライバーを務めつつ、F2で同じ英国人ドライバーとして話題のランド・ノリスを下したことで、ラッセルは今年F1のルーキーイヤーを迎えることができたのだ。
「いまだにF1ドライバーになれたことが信じられません」と彼は言う。「ですが、すべてを掛けてF1シートを獲得したアレックス・アルボンと比べれば、状況はそれほど悪いものではありません。2年間をメルセデスで過ごしたことで、シミュレーションや1週間を超えるテストなどを経験してきました。どうやってF1チームが運営されているかも理解しています。こうしたすべてが、起こるべくして起こったのだと感じています」
4月のバーレーンGPを終えた後、このグランプリで、まさにルイス・ハミルトンがドライブして勝利したマシンのステアリングを握るという絶好の機会を得るため、ラッセルはこの地に留まっていた。最低のマシンから最高のマシンへと乗り換えた彼は、F1キャリアで最高のスピードを味わっている。
どう感じたのだろう?
「まさに想像したとおりです。史上最速とのF1とも言える今年、すべてのレースで1位と2位を独占しているんですから」 思わず笑みがこぼれる。「世界最速のマシンをドライブする、3人のドライバーのうちのひとりになれました」
現実に戻ろう。「高いパフォーマンスを発揮しなければ、注目を集めることはできません」と彼は話す。 「ドライバーとして、目立つこともなく、時には自分の実力を存分に発揮することができないと感じることもあります。ですが、注目をしてもらわなければならないひとは限られています。ウィリアムズとメルセデスのチームメンバー、そしてトト・ウルフです。彼らがわたしのキャリアを左右するのですから」
ウィリアムズを、かつてF1で下位に沈んでいたミナルディのように思うなど、不思議な感じもするが、フェルナンド・アロンソもマーク・ウェバーも、下位チームからキャリアアップを果たしたのであり、ジョージ・ラッセルもそのことは理解している。それが彼にとって、いまの現実だ。