比較試乗 半世紀前のイタリア製スパイダー アルファ vs フィアット 乗って帰るなら?
公開 : 2019.06.17 17:10
ピニンファリーナのデザイン
英国ではアルファ・ロメオの方がはるかに良く知られている。1962年に導入された105シリーズ・ジュリアをベースにするアルファ・スパイダーだが、ジュリアスパイダーの後継モデルとして登場したのは1966年のジュネーブサロンだった。
旧型のスタイリングから大きく変化したシルエットは、ピニンファリーナのスーパーフロー・コンセプトのテーマを踏襲している。1956年に初登場したこのシリーズは、オープン2シーターモデルも展開。そのボディは、彫りの深いサイドから先細りになったテールに至るその後のスパイダーの系譜を暗示するものだった。
この時期は、アルファのショーカーにとって恵まれた時代であり、1961年に発表されたジュリエッタSSピニンファリーナ・スパイダーは、これからのスポーツカーがどうなっていくかを強く予感させた。
しかし、最初のオッソ・ディ・セピア(イタリア人がスパイダーにつけた愛称である「イカ」)がピニンファリーナのグルリアスコ工場の組立ラインから送り出されるまで、さらに5年を要する。バッティスタ・ファリーナが参加した最後のプロジェクトだけに、偉大な男の才能にふさわしい作り込みが進められたのだ。