ジュニア・クラスと呼ばないで 4座V8のランボ/フェラーリ比較試乗

公開 : 2019.06.20 10:10

全く異なるキャビン

ただランボルギーニの方がわずかに男性的なスタイリングである。しかし、それは大きな違いというレベルではない。リアウインドウの輪郭は全く同じだし、正面から見るといずれもAピラーが内側につままれたようになっている。この点では、「彷彿とさせる」というレベル以上にランチア・ストラトスに似ていると思う。それでも、フェラーリがリアを繊細な梁で繋いだのに対し、ウラッコの方は鋭くかしめたリアのスタイリングでスリムな印象を演出している。

これだけ似ているのに、キャビンは全く異なっている。ランボルギーニはすべてが大きくて、少なくとも今回紹介するクルマについては一面が黒く覆われている。ロッカースイッチ、大ぶりなギアレバー、ダッシュボードの角ばったラインに至るまで、ロジカルに配置されている面もあるが、いささかも繊細さは感じられない。

これとは対照的にフェラーリはライトな感覚であり、ドライバーを包み込むような絶妙なダッシュボードを備えている。スマートなトグルスイッチでライトを操作し、細身のレバーでヒーターを制御するという具合である。

面白いのは、どちらのドライビングポジションもおよそ完璧からはほど遠いことだ。身長167.5cmの筆者は、シートを前方に移動させるしかなく、足を折り曲げ、腕を無理に伸ばしたみっともない姿勢を取らざるを得ない。それなのにヘッドルームも不十分なのだ。それにランボルギーニのペダルは片側に寄っている。ただし、ステアリングとホイールペダルとが整列しており、シートは体がクルマの中心に向くよう据え付けられているため、片寄った感じがしない。

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