第3世代のBMW X5を公開

公開 : 2013.05.30 20:00  更新 : 2017.06.01 01:54

2013年9月のフランクフルト・モーターショーでデビューする第3世代のBMW X5が公表された。この新しいX5には、2.0ℓ4気筒ディーゼルを搭載したリア・ホイール・ドライブ・モデルで、17.7km/ℓの燃費と、149g/kmのCO2排出量を達成したモデルもラインナップされる。4気筒エンジンをラインナップ加えたのは、最新のメルセデス・ベンツMクラスに対抗したものと思われる。

F15という内部コードの下で開発された新しいX5は、アップライトなプロファイルやツーピースのテールゲートなど伝統的な特徴を保持した典型的な進化を見せたモデルだ。より目立つキドニー・グリルと、クロームで囲まれたLEDランプによって、くっきりとしたフロント・エンドを持つ。また、より輪郭を際立たせたバンパーの下部には、エア・カーテン・ダクトと呼ばれるエア・インテークが取り付けられ、フロント・ウイングに付けられたエア・ブレードから吐き出される空気の流れを作っている。

そのデザインは、最近登場した3シリーズGTの影響も大きく受けていると思われる。全体としては、この新しいX5は視覚的に大きく見えるのを避けたようだ。それは、はっきりとした輪郭を持つボンネット、くっきりとしたショルダー・ライン、特徴的なラインの入れられたドア・パネルから見てとれる。しかし、大きなグラスハウスは、1999年にデビューした初代E53型X5、2008年にデビューした2代目E70型X5から引き継がれている。

全長、全幅、全高は4886mm×1938mm×1762mmで、先代のE70型に対して32mm長く、5mm広く、14mm高い。ホイールベースは2933mmと共通だが、トレッドは1640/1646mmと先代よりもそれぞれ4mm小さくなっている。

インテリアは先代より続く豪華なものが与えられている。リア・シートは2つのチョイスが可能。3列目シートはオプションだが、その3列目シートのレッグスペースを確保するために2列目シートは20/40/20分割と70/30の2タイプが用意される。ブートスペースは650ℓと30ℓ拡大しているほか、2列目と3列目のシートを折り畳むと1870ℓの容量が確保される。

装備は、アウディQ7、メルセデス・ベンツMクラス、レンジローバーに対抗するために、先進の装備が長いリストとして連なる。ヘッドアップ・ディスプレイ、人間および動物を感知するナイト・ビジョン、レーン・デパーチャー警告、道路標識自動読取り、360度パノラマビュー・モニターおよびパーキング・アシスト、自動ブレーキを備えた衝突警告など。また、インフォテーメント・システムであるコネクテド・ドライブは、マルチメディア機能として、インターネット接続はもちろんのこと、Facebookやtwitterとの連動や、電子メールの自動音声読み上げなども含む。

新しいX5は、既存モデルのスティール製モノコックを改良したプラットフォームをベースに造られる。より強いスティールが多く使われた軽量設計により、旧いX5よりも軽量に仕上がっている。スタンダードなxDrive 30dの場合、その重さは2070kg。大きくなったボディと装備の充実にも関わらず80kgも軽くなっている。

サスペンションは、フロントがダブル・ウィッシュボーン、リアがマルチリンク。ユーザーは4つのシャシー・チューニングを選ぶことができる。ベーシックなスティール・スプリングと、エア・スプリングによるコンフォート、ダイナミック、プロフェッショナルの4つである。X6でもそうであったように、後の2つは、アダプティブ・ダンパーがセットされ、BMWダイナミック・パフォーマンス・コントロール・システムを装備。更に、メカニカル・トルク・ベクタリング・システムがリア・アクスルに付けられる。

英国市場向けには3台のエンジンがラインナップされる。そのすべてがアイドリング・ストップ・システムを持ち、8速オートマティック・ギアボックスと組み合わせられる。また、そのすべてのエンジンが2014年9月に施行されるEU6に適合した燃料消費率とエミッションを持つ。また、ディーゼルは、尿素インジェクションによりNOXの低減を図っているのも特徴だ。

デビュー当初登場するエンジンは、xDrive 50iに搭載される444bhpを発揮する4.4ℓのV8ガソリンと、xDrive 30dに搭載される254bhpの3.0ℓ6気筒ディーゼルだ。

xDrive M50dには376bhpを発揮するトリプルターボの3.0ℓ6気筒ディーゼルが搭載される。このxDrive M50dは0-100km/h加速6.3秒、最高速はリミッターで制限された250km/hというパフォーマンスを持ち、同時に14.9km/ℓという燃費と177g/kmというCO2排出量をマークする。

伝統的に英国でのベストセラーであるxDrive 30dのエンジンは、12bhp、2.1kg-mのパワー・アップを果たし、0-100km/h加速のタイムは7.6秒から6.9秒に短縮。燃費も13.5km/ℓから16.1km/ℓに伸び、CO2排出量は195g/kmから164g/kmに減らされている。

今回新たにxDrive 30dの下に位置するベーシック・モデルがつかされた。215bhpを発揮する2.0ℓ4気筒ターボ・ディーゼルで、xDrive 25dおよびsDrive 25d搭載される。ちなみにこのsDrive 25dはそのネーミングからも分かる通り4WDではなくRWDだ。燃費は17.8km/ℓ、CO2排出量は149g/kmとアナウンスされている。

更に、309bhpの3.0ℓ6気筒ディーゼル・ターボがxDrive 40dに、302bhpの3.0ℓ6気筒ガソリン・ターボがxDrive 35iに搭載される。ちなみに、後者はRWDモデルとしてアメリカではsDrive 35iといて販売される予定だ。

BMWは原稿のX5 Mに変わるモデルは公表していない。しかし、2014年にデビューする新しいM5およびM6に搭載される560bhpを発揮する4.4ℓV8ツインターボ・エンジンが搭載されることになるだろう。

更に、アメリカ、中国、ロシアでの強い要求に対応して、将来的にはディーゼルとモーターによるハイブリッドを提供する準備もされている。しかし、このモデルの登場は2015年以降となろう。

新しいX5は、X3、X6と同様にアメリカ・サウスカロライナにあるスパータンバーグ工場で生産がされる。英国での販売は、2014年第3四半期になるだろう。

1999年にX5がそのラインナップに加わって以来、130万台以上のX5が販売されている。

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