試乗 アウディTT RS 手軽なスーパーカー性能 最後の5気筒 ちらつくRS3

公開 : 2019.06.05 10:10  更新 : 2019.06.05 10:54

どんな感じ?

クルマを支配する5気筒ターボエンジン

クルマの基本的な印象は、2016年に初めて試乗したときと大きな違いは感じられない。しかし再評価する価値は充分にある。なにしろ5気筒エンジンを搭載する最後のTTとなるだけでなく、噂によれば、少なくとも今回のフェイスリフトがTTにとって最後の進化となりえるのだから。

これまでにも存在してきた5気筒のアウディと同様に、ドライビングで受ける体験を支配するのは、このエンジン。TT RSにはさらに荒々しい性格と、サウンドが追加されている。この特徴的なオフビートの効いたサウンドは、1980年代にラリー界を席巻していた頃のアウディの記憶を蘇らせてくれる。特にスコットランド北部の原野に伸びる、ケアンゴームズ国立公園の中の森に囲まれた道を運転していると、この表現はどうしても頭によぎってしまう。

フェイスリフト前と比較すると、若干ドラマティックさで陰りを感じるものの、素晴らしいノイズだ。テールエンドで炸裂する破裂音や雷鳴のような響きは、オプションとなるRSスポーツ・エグゾーストを選んだとしても、影を潜めてしまった。しかし、基本的な音質や音量には変わりはなく、並外れた加速に相応しい荒々しさは残っている。アクセルを踏み込むという作業が、特別な体験に感じられるだろう。

0-100km/h加速は、以前にわれわれが計測した結果では3.5秒を切っているが、実際に体験してみるとそれほど速くは感じられない。パーティキュレート・フィルターが付いても、当初の印象と大きな違いは感じられなかった。しかし、4気筒エンジンを搭載する基本のTTと同様に、扱いやすく洗練されたレーシーなドライブモード・プログラムを獲得しており、運転の満足感は高まっている。燃費も改善しており、10km/ℓ以上という数字も現実的なものになった。

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