マクラーレンF1 vs マクラーレン720S 比較試乗 伝説はいまも
公開 : 2019.06.08 11:50
番外編2:驚異のマクラーレンF1
F1のステアリングを握っていると、思わず大きく息を吸い込んで、「ワオ」と言っている自分に気付くことがある。それほど、このクルマの完成度は印象深く、まさに、一切の妥協をすることなく、すべてをそのパフォーマンスのためだけに創り出されたマシンだと言える。
ナットやボルトのひとつひとつ、スイッチや開口、そのメカニズムやボディ、フォントやエッジ、コーナーといったすべてがあまりにも美しく、見事に設計されており、見ていて飽きることがない。
だが、このクルマを作ったひとびとが、「これで十分だ」と、満足したことはなかったに違いない。
ドア内側とシート下には目立つことなく保管スペースが確保され、エンジン両側にもラゲッジスペースが設けられているが、こうした点は想像もしていなかったのであり、これほどの衝撃を受けるとも考えていなかった。
それでも、このクルマの真の驚きは、3速と4速で3000rpmからアクセルを思い切り踏み込んだときに味わうことのできる、レッドゾーンまで続くその加速にある。
多くの点で記念すべきモデルであり、コストや生産台数を度外視して、これほどのモデルが創り出されることは二度とないだろう。