ポルシェ・カイエン・クーペ 島下泰久が試乗 カイエンとの違い、独自の価値は

公開 : 2019.06.04 18:10

カイエン・クーペ 違いとは

実は前席ヒップポイントが下がっていると聞いたのは、試乗の最初のスティントが終わった後だった。スペック上は変化は無さそうなのに、何だかスポーティに感じたのは、そのためだったようである。

厳密に言えばフェンダー形状に合わせてリアのトレッドは28mm広くなっており、それに合わせて全車標準装備とされたPASMのチューニング、スタビライザーの径も変更されている。

ボディ剛性には差は無いというが、大きな開口部、リアゲートの複雑なリンク機構、ワイドなスタンスなどのおかげで車重は若干重くなっているという。

今回はベースグレード、S、ターボの3モデルすべてを試すことができた。いずれも走りはカイエンの完成度の高さそのままで、1日中、飽きることなく楽しむことができたが、そこはさすがポルシェで、上のグレードほど、オプションが増すほどに味わいが濃く、深くなるのも事実だ。

最高出力340psのベースグレードだけ乗っている分には十分満足できたのだが、高回転域までスムーズに吹け上がるツインターボエンジンを積むカイエンSに、電子制御式ディファレンシャルのPTVを組み合わせた仕様に乗り換えると、ドライブの実感が一層濃く感じられた。

更に、最高出力550psのターボに、ノーマルより25kg軽いCFRP製ルーフや22インチ鍛造ホイールなどを組み合わせたライトウェイトスポーツパッケージ(LSP)仕様ともなると、全能感とでも呼びたくなる快感が待っている。

遮音材をわずかに省き、排気音を聞かせる設定となっているのも気分を鼓舞するポイントだ。ちなみにLSPは全グレードで選択可能である。

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