ポルシェ・カイエン・クーペ 島下泰久が試乗 カイエンとの違い、独自の価値は
公開 : 2019.06.04 18:10
クーペならではの価値あるか
走りも快適性も変わらないし、後席の居住性も元々十分なスペースを持つだけに不満のないレベルにある。荷室容量は減っているが、これはクーペである。この見た目を気に入ったなら、躊躇は不要だろう。
カイエンに対して標準装備が増えているが、その分を差し引いた価格差、要するにカッコ代は、ベースグレードでざっと20万円程度。カイエンも街を行く数が増えたし、ニーズはあるに違いない。
とは言え正直、個人的にはボディ形状の違い以上の、もっとスペシャルなものを期待していたことは否定しない。昨年の年次経営報告会の際にどこかの国の記者からの「ランボルギーニ・ウルスに対抗するアイディアはないのか」という質問に対して、オリバー・ブルーメCEOは「もちろん用意しています」と答えており、きっとカイエン クーペがそれなのだろうと期待していたからだ。
実際のところ、まずカイエンと同様のプラグインハイブリッドモデルが追加されることは明言されているが、話はそれだけには留まらなそうな気配である。
プレス資料の装備表には誤ってか1カ所「ターボもしくはターボS」という記載があった。カイエン同様に追加されるのだろうが、これには期待したい。「ランボルギーニは別カテゴリーなので」なんて言ってるようじゃ、ポルシェじゃないというものだろう。