FCAとルノーの経営統合 アナリストはどう見るか
公開 : 2019.06.04 20:10
ジープ、ルノー傘下にあった時代
今となっては信じられないことだが、ルノーはかつてジープを所有していた。時代は1979年まで遡る。ルノーは米国市場を拡大するため、3.5億ドルを投資してアメリカン・モーターズ(AMC)の株47%を取得。AMCといえば、よく知られている車種はハッチバックのペーサーだろう。
AMCは1970年にジープを買収していた。しかし、フランスの新たなオーナーは四輪駆動車を単なる隙間向け製品と見做していた。それよりルノーはAMCの米国やカナダにある工場に興味を持っていたのだ。
AMCとルノーは、ルノー5のマーケティングに関する合意から提携を開始。米国ではAMCからル・カー(Le Car)という車名で販売された。さらに1980年代半ばには、ルノー9、11、21、25の現地生産車へと拡大した。
しかしながら1987年、品質問題が販売に打撃を与え、AMCは辣腕経営者として名高いリー・アイアコッカ率いるクライスラーに6億ドルで買収されることになる。
アイアコッカはジープ、特にルノー傘下で開発されたXJ型チェロキーが欲しかったのだ。1983年に発売された3ドア・ボディのチェロキーは、スポーツ・ワゴンとして市場で好評を博した。多くの人々にとって、最初のSUVといえばこの時代のチェロキーだった。それから36年が経ち、ルノーは再びジープ・ブランドを戦略に活用することになるかもしれない。