登録済み未使用中古車、なぜ安い? 格安になるカラクリ 購入/下取りの注意点
公開 : 2019.06.04 19:10 更新 : 2021.10.22 10:18
なぜ価格が大幅に安い? 輸入車の登録済み未使用中古車
先に述べたBMW 1シリーズやメルセデス・ベンツCクラスの登録済み未使用中古車は、2018年式の価格が、新車時に比べて30%前後も安い。そうなると新車価格が400万円前後でも、100万円以上の値引きになるわけだ。
日本車では、アルファード/ヴェルファイア、スカイライン、アテンザなどに400万円前後のグレードが用意されるが、登録済み未使用中古車の数は限られ、通常の値引きが100万円に達することもない。
BMWやメルセデス・ベンツが安くなるのは、まず輸入車が日本車とは違って基本的に在庫販売になるからだ。
メーカーと日本法人の契約に基づいて一定の台数が輸入され、必ず販売しなければならない。売れずに在庫が溜まると、保管するコストも加わるから、販売会社は早急に手放したい。
日本車も以前は在庫を持ったが、今は軽自動車を除くと、基本的にメーカーに注文を入れて卸す方法を取る。販売台数が下がり、在庫販売は効率が悪いからだ。
輸入車に話を戻すと、売れ残って在庫になった場合は処理に困り、販売会社が登録して中古車に卸すわけだ。
またBMWやメルセデス・ベンツの場合、発売から数年を経てフルモデルチェンジが近づいた車両については、メーカーが日本法人を通じて販売会社に販売奨励金を付帯する。いわゆるインセンティブで、これを原資に新車の値引きを拡大する。
そのために特にドイツ車は、モデル末期になると、Cクラスや3シリーズでも値引き額が100万円前後に達することがある。登録済み未使用中古車に卸せば、さらに安くなるわけだ。
もともと輸入車の価格には、販売会社の受け取る粗利が多く含まれ(つまり価格を高めに設定してある)、値引き額を増やしやすい。そこにモデル末期の販売奨励金まで加わると、さらに大幅な値引きが可能になり、登録済み未使用中古車が格安に流通するわけだ。
ところで未使用中古車、買う時の注意点はあるのだろうか?