試乗 ベントレー・ベンテイガ・スピード 世界最速SUV W12エンジンは635psへ

公開 : 2019.06.07 10:10  更新 : 2019.08.08 09:54

ベントレー流の適度なスポーティー加減

その時間は3.9秒だが、実は「スピード」のつかないV8のベンテイガとの0-100km/h加速の差はわずか0.1秒。ゴルフ2台分くらいの車重があることを考えると、素のベンテイガも十分以上に速いのだ。ただし、ベンテイガ・スピードは、スピードの付かないかつてのコンチネンタルGTと同じエンジンを搭載していることになる。少しややこしいが、車重の重さはパフォーマンスに表れている。

雷のようなエグゾーストノートに、あふれるトルクを発生させ、エンジン自体は素晴らしい。ベントレーの新しいW12エンジンは、かつてのプッシュロッド式のV8エンジンのような明確なキャラクターを備えるようになってきた。ベンテイガにはそこへZF社製のトランスミッションが組み合わされ、お互いの良さが一層強調されているように思う。

サスペンションの質感も良くなっている。より引き締められたセッティングながら、常にエレガントなベンテイガの乗り心地を崩すようなことにはない。むしろハイスピードでの走りを好むドライバーの中には、車重を考えると、よりカッシリしたしたボディコントロールを望む場面もありそうだ。

ベントレーのエンジニアは、ほどほどのスポーティなフィーリング、というところをあえて狙っている。ベンテイガはスポーツカーではないし、そこを目指してもいない。しかし、ハンドリングはほかの誰よりも良好。その味付けの加減が、クルマの性格としても、ベントレーというブランドとしても、とても調和しているように感じる。

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