試乗 アウディS6 ディーゼルのマイルドハイブリッド 0-100km/h5.0秒
公開 : 2019.06.10 10:10 更新 : 2019.06.10 10:47
まるでガソリンV8エンジンのような音響
エクステリアデザインから標準のA6とS6とを見分けられる部分はいくつかある。大きなエアインテークが左右に大きく口を開き、スポーティなスポイラーの突いたフロントバンパーに、アルミニウム風のサイドミラーカバー、特別仕様のアルミホイールに、リアバンパー下のディフューザーが主なポイント。もちろん、S6のエンブレムも付いている。
インテリアデザインも、フェイシアパネル随所にアルミニウム製の化粧パーツが奢られ、シートも特別仕様のスポーツシート。用いられている素材や装備の内容も極めて充実している。
S6には可変ダンピングコントロール機能の付いたスポーツ・サスペンションが標準装備され、アダプティブ・エアサスペンションもオプションで選択ができる。またセラミック・ブレーキとダイナミック・4輪操舵システムも、注目すべきオプションといえる。
ハイパフォーマンス・サルーンとして不足ないパワートレインを実装しているが、エンジンをスタートさせた時の驚きは予想に反するものだった。エンジンが目を覚ました途端、大きくはないフロントセクションに搭載されているのは、大排気量のV8エンジンなのではないかと錯覚してしまった。ディーゼルエンジンの発する音だとは、にわかに信じがたい。
アウディのエンジニアは、控えめで効果的なサウンドジェネレーターを実装させたためだが、その働きがなかなか良い。クルマが進み始めると、その好印象は更に高まる。低回転域から有り余るトルクが湧出し、スロットルレスポンスも秀逸。若干だがパワーの立ち上がりで遅れるところがあるとはいえ、まるで少し前のV8エンジンのような雰囲気と力強さがある。