試乗 アウディS6 ディーゼルのマイルドハイブリッド 0-100km/h5.0秒
公開 : 2019.06.10 10:10 更新 : 2019.06.10 10:47
コミット感は薄いもののクワトロらしい安定感
潤沢なトルクのおかげで、速度域を問わずS6の加速は鋭い。トランスミッションは、前方が開けた場所でアクセルを踏み込めば5000rpmまで引っ張り、それが難しい道であっても、変速は素早くスムーズに完了する。もちろん変速のタイミングやスピードは、スポーツ、ノーマル、エコノミーが用意されたドライビングモードの選択状態によって、適切に可変する。
ハンドリングは良好だが、感動的とまではいえないかもしれない。その原因は、軽くない前方のマスと、このクラスとしては重たい車重にある。ターンインは充分速いのだが、調整しろの幅や、クルマと対話するというようなフィーリング・フィーリングには乏しい。これは低速コーナーに限らず、長く続くような高速コーナーでもいえることだ。
しかし走りそのものは正確性も高く安定している。少なくとも初夏の今どきの乾燥した路面なら、そのトラクションは極めて素晴らしいものだった。クワトロで名を馳せるアウディだけあって、4輪駆動システムという点では、ライバルよりも一歩先ゆく完成度を持っている。ドライバーは、車重が生む慣性の大きさと対峙する必要はあるのだけれど。