ボルボS60 vs アルファ・ジュリア vs キア・スティンガー vs プジョー508 比較試乗 ドイツ御三家以外の選択肢を探る

公開 : 2019.06.15 09:50  更新 : 2021.03.05 21:36

キアとアルファ 新生508

つまり、この245psを発揮するキアは、リミテッドスリップディフェレンシャルこそ備えてはいないが、8速オートマティックギアボックスを介して後輪を駆動することに変わりはなく、それは、280psのヴェローチェが参加するアルファ・ロメオジュリアも同じだ。

ジュリアとは多くの時間をともに過ごしているが、そのほとんどがクアドリフォリオとであり、このスポーツサルーンというよりは、スポーツカーを思わせるモデルこそ、このクルマを創り出したひとびとが成し遂げたかったことを証明している。

そう考えると、やはり、いまなおエンスージァストや、クルマ好きのエンジニアに高く評価されるフェラーリ458スペチアーレを手掛けた人物が、ジュリアの開発を主導したことをお伝えしておくべきだろう。ジュリア・ヴェローチェが積むのは2.0ℓガソリンエンジンであり、このクルマがジュリアとしては最軽量のモデルだということを考えると、どのようなパフォーマンスを見せてくれるのか非常に興味深い。

そして、最後に登場するのが、いまやスタイリングとダイナミクス性能の双方で、ふたたびその実力を示しつつあるメーカーが送り出したモデルであり、先代のプジョー508は非常にありきたりなクルマだった。


だが、今回の新型は違うと、プジョーの責任者は話しており、レンタル車両として採用されなくても構わないとまで言う。むしろ、下取り価格を下げてしまうことから、採用されないほうが良いと考えているようでもあり、プジョーの計画が上手くいけば、大手レンタカー会社へ行っても、508を押し付けられるようなことはなくなるだろう。

大型サルーン人気が高い中国市場で、プジョーは苦戦している。かつては、他の海外メーカーとともに、成功を収めた市場であり、新型508が、乗り心地とハンドリングでクラストップを争い、見事なスタイリングと、当時の基準で見れば優れたインテリア品質を備えていた405や406といった、かつてプジョーが得意としていた大型ファミリーカーの系譜を継ぐモデルであるだけに、この状況は非常に残念だ。

まずは、新型508を見てみよう。かつてプジョーの大型サルーンと言えば、ファミリーカーの代表ともいえる存在だったが、最近ではセグメントの境界が曖昧になり、プレミアムモデルやSUVが、こうしたファミリーカーの領域へと、大挙して押し寄せてきている。

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