試乗 日産リーフの名を冠した純粋なレーシングマシン「ニスモRC02」
公開 : 2019.06.17 11:40 更新 : 2021.03.05 18:51
素直な操縦性と自然な操舵感
このように事前にプログラムしておけばスイッチひとつでペダルストロークに対する特性を如何様にもできるのが電動の強味。今回の試乗では前述の20%ダウンの他に、前後輪の駆動トルク配分をコーナリング重視の Fr 45:Rr 55にセット。機械的な駆動力配分機構を持たないので駆動力配分はモーター出力の制限によって行われ、45:55の場合は前輪駆動モーターが20kWダウンの100kWに制限される。したがって、同トルク配分時の前後総合駆動出力は220kWととなり、この時点で50:50時よりも9%強パワーダウンしてしまう。
操縦性は素直の一言に尽きる。コーナリング能力の6〜7割程度で走らせているのだから当然だが、ステアリングのキックバックや操舵感、操舵力等々がとても自然である。確かな接地感はレーシングカーらしいが、路面反力はそれほど大きくない。装着タイヤがミシュラン・パイロットスポーツというせいもあるのだろうが、ドライビングに必要な反応と感触を正確かつ適量に伝える。付け加えるなら、この試乗環境限定ながら加減速の駆動状態による操舵感の変化はあまり感じられなかった。