メルセデス・ベンツAクラス A200dの最先端ディーゼル・エンジンを解説

公開 : 2019.06.12 06:10

ユーロ6d NORM規制 唯一クリア

その昔の2輪車はアルミ製シリンダー内壁にポーラスメッキを施していたが、ナノスライドは耐久性を増すとともにフリクションを低減させた進化型といえる。

ナノスライドは2本のスティール・カーボンワイヤーをアーク放電で溶かしたものをシリンダー内壁にコーティングするもので、極薄の膜となるためシリンダーライナーに比べて大幅な軽量化を実現。またピストンはスティール製が採用され、熱膨張の違いを活かしてフリクションを低減させている。これらの基本からの見直しによりOM654型はOM651型に較べ約35kgの軽量化を実現した。

新たなディーゼルのスタンダード・ユニットとして作られたOM654型だが、Aクラスに搭載されるにあたり高い環境性能を実現している。

ヨーロッパでは2017年からユーロ6d-TEMP規制が始まり、2020年からより厳しいユーロ6d NORM規制が施行される。その規制値は、

・Nox:80mg
・PM:5mg
・RED NOx:120mg/km

というもので、現行のユーロ6d-TEMP規定の半分以下まで低減されるという厳しいレギュレーションである。そのユーロ6d NORM規制に加え、ステージ2 RDE(実路走行試験)も加わる規制をOM654q型は現時点で唯一クリアしているエンジンなのだ。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事